【ずっと傍に…】
「コホッ、コホッ…」
部屋のなかにドロシーの咳が響く。
「ドロシーちゃん大丈夫?」
ナナシは、ドロシーの背中を擦りながら尋ねる。
「大丈夫だけど…悔しいわね…ウォーゲームに参加できないし観戦すらできないなんて…」
ハァ〜、と肩を落としドロシーは呟いた。
「そら、仕方ないでドロシーちゃん熱が酷いんやから」
そう、ドロシーは風邪を引いてしまった。それも、厄介なインフルエンザを…
「ってか、アンタもこの部屋から出たほうがいいわよ…コホッ、移るわよ?」
ドロシーはグタッとベッドに倒れこみ言った。
「まぁ、たしかに移るかもしれへんな〜、そん時はドロシーちゃんが看病してな」
ニッコリ笑ってナナシが問うとドロシーは呆れたようなため息をつき。
「いいわよ、その時はドロシーちゃんの優しい〜看病をしてあげる」
と、柔らかく微笑んだ。
「なら、ドロシーちゃんが先に風邪なおさな」
ナナシは、自分の手をドロシーの額に当て言った。
「…おやすみドロシー」
ナナシの言葉に瞳を瞑った。
「ナナシの手って暖かい…なんか安心する」
「安心するんやったら良かった…おやすみドロシー」
ナナシが言い終わる前にドロシーは寝息をたてた。
それをナナシは確認すると起こさないように扉をそっと閉めた。
数時間が経ち
「…ん」
ドロシーは目を覚ました。
「…ナナシ?」
ドロシーは横に居ると思っていた人物が居ないことに気づきドロシーは、バッと起き上がった。
「ッ…、ナナシ…」
ベッドから降り、ドロシーは辺りを見渡す。だが、ナナシが部屋に居ないことが分かるとドロシーの顔は、真っ青になった。
「…どこ?ナナシも私の前から居なくの…」
ドロシーは、その場に座りこみ顔を附せた。
「なんで自分がドロシーちゃんの前から消えなあかんの?」
その言葉にドロシーはパッと顔をあげた。ドロシーが顔をあげた先には、ナナシの優しい微笑みがあった。
「怖い夢でもみた?」
ナナシは、自分の手をドロシーの頭に乗せた。その瞬間ドロシーの目からは小さな雫が溢れてきた。
「ッ…お姉ちゃんの夢を見たの…私の前から突然居なくなって…ッナナシも私の前から居なくなったって思ったら…怖くて…」
ドロシーの言葉は、途切れ途切れで、でも気持ちは痛いほど伝わって。ナナシは思わずドロシーを抱きしめた。
「大丈夫!自分はドロシーを置いてどこにも行かへん…絶対に」
ギュッと抱きしめ呟く。
そのあと、二人には沈黙が訪れ、聞こえてくるのはドロシーの泣き声だけだった。
「…ずっと不安やったんやな…ごめんな気づいやれんで」
ナナシは、泣き疲れて寝てしまったドロシーをベッドに移した。
「これからも、ずっと自分が傍に付いとく…だからもう一人で抱えてこまんでな」
ナナシは、ドロシーの額にキスを落とした。
外から騒がしい声が、聞こえ窓に目を移すと、仲間達が大喜びで騒いでいた。
「次に目が覚めた時には騒がしいと思うでドロシー」
窓の外には、手を大きく振るキャプテン達が居た。
〜あとがき〜
柚季様へ
大変お待たせ致しました!お待たせしたあげくこんな駄文ですみません!!(汗柚季様のみ書き直しや変更をやらせていただきます!本当に駄文で失礼しました!もらっていただけたら幸いです。
皆様も感想などありましたら時間がある時にでもいただけましたら幸いです!
では、ここまで読んでいただきありがとうございました!2009/2/17