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□クラッシュ
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クラッシュ



 チカチカとしたネオンライトが目に染みる。優しい朱色の光ばかりに慣れていたこの根っからの陰鬱な瞳というのは太陽光所かこんな作り物の電光にも値を上げていた。
 (それはどうやら、後ろの男にも共通するようで)


 「汚い街だ。気分を害する。」


 「そう言うな」


 俺よりも幾分か背の高い長髪の男…畜生道の放つ雰囲気はどうにも不機嫌そのものであった訳だがそんな事は俺の知ったことじゃないし第一に単なる買い物だと言ったのにも関わらず付いて来たのはコイツだ。と言うよりも本当はこの男なんか連れてきたくなかったのだ。何せ俺が買いに来たのは避妊具であり、そんな者を買う男二人というのはその…あまり良い見方はされないのでは、と思う。本来ならば一人で買うだけでもとんだ羞恥だというのに何故今日に限ってなんだ。考えて、思わず溜息をつきそうになった。
 そんな俺の様子を気にする事も無く畜生道は蛍光の桃色がちりばめられた様な繁華街を睨み付ける様に見ていた、と思っていた次の瞬間スッと掌を掴まれたかと思うと抵抗する間も無くどことも知らぬ店へと押し入れられる様に入ってしまった。
 嗚呼やはり連れてこなければ良かったのだ。時には忍んで愛を育み時には刺激を求め訪れるそこの名は所謂宿屋だったが、唯の宿屋では無い。言うなれば性交をする為の宿屋なのだ。


 「ダメだぞ」


 「堅い事を言うな。最近していなかったのだから良いじゃないか。」


 「そう言った問題では無い」


 俺がそう言った時には既に受付へと部屋を借りに行っていた畜生道にはもはや溜息しかでてこない。もうこうなったらてこでも動かない奴にはもはや何を言ったところで時間のムダだと溜息をつく。満足げに鍵を受けとると俺を呼び寄せ腰に腕を回したまま歩き始めた。嫌に紳士的で何だか気持ちが悪いなと考えながらもこれから来たるであろう激しい性交を想像した自分が少し嫌になった。







 「っあ…ああっ」


 既に脱がされた上着の上に寝かされ、楽しむかの様にゆるゆると性器を扱く畜生道を睨み付けてもこれと言った効果は無く唯続け様に服を捲られ乳首を舌で愛撫された。先を尖らせた舌で弄られるとなんだかとても淫猥な気分になり抵抗などろくに出来る筈も無い。勃起した朱色の乳首がやけに滑稽で嫌になるものの畜生道はさもおかしそうに俺の痴態を見つめた。嗚呼、有り得ない。


 「んっ…はぁ、そこ、ばかり…っ」


 「苦しいか?」


 ケラ、と邪悪な笑みを口元に孕ませたそいつは俺とは似つかなかったがそれはそれは妖艶でいて、卑猥だった。勃った乳首をちゅうっと吸われたかと思うと歯を立てられ甘噛みされ思わず腰が震える。先程まで性器に愛撫を施していた右手はいつの間にか舐めていない乳首を押し潰したり勃たせたりして絶えず俺に快楽を送っていた。先走りで濡れた指で愛撫した為にテカテカと光る胸元がなんだか気恥ずかしくて顔を背ければこちらを見ろと命令口調で言われ渋々目を向ける。片方は唾液で片方は先走りで、濡れた乳首は酷く淫猥に映った。


 「違…そこ、もう…!」


 「どこだ?」


 わざと当たらないように、すらりとした長い指が俺の性器の周りをグルグルとなぞる。内太股をかすめる度にたまらない快楽が背を走った。もう辛抱ならなく、畜生道の掌を掴むとそのまま性器へと持っていき愛撫させる。己の手を上から被せ扱くと待ち侘びた刺激に自然と腰が揺れ動いて、もう気持ちよくて堪らない。


 「俺よりも乗り気じゃないか、淫乱」


 「あっああっ違う…」


 「イきそうだな」


 震える足先を見て呟いた畜生道は俺のグチョグチョに濡れた性器を何の抵抗も無しに口に含んだ。ぬるぬるとした柔らかい舌が性器を這いずる度に喘ぎ、ただでさえ崩れかけていた理性を手酷く壊していく。イく、そう呟いた瞬間に一層激しく扱かれた上に強く吸われればそれはもう促される様に射精感が襲い勢い良く白濁を吐き出した。


 「っ…!」


 「…嗚呼、綺麗だ。ペイン。」


 (お前だってペインのくせに)

 腹に水溜まりを作った精液を指ですくい頬に擦りつけられ、嫌がる素振りをする間も無く口付けられれば唯唯不思議な気分になった。綺麗だなんて言われたくない俺はこんなにも汚れているのだ。


 それでも抵抗しないのはきっと優柔不断な自分が悪いのだと自己嫌悪。ネオンの光に目を痛めるよりも早く畜生道の優しい笑みが俺の目を潰した。







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手でイっちゃう神。
神同士のプレイってなんか背徳的だなあとニヤニヤしたり。
この後は御想像にお任せします。

syu様に捧げます^^



(^^)

有り難う御座います!
一万五千ひっとで頂いちゃいました。お持ち帰り厳禁ですよ^^

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