Web拍手劇場。

□拍手小話《ボタン》
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ボタン・その壱

「慎吾。」

「何?あっちゃん。」

「昔さ、TVでやってたんだけど、何かの展示場で色んな絵に混じって額の中にボタンが一つだけ入ってる額があってさ。」

「ふ〜ん。」

「その額の下にさ、『決してこのボタンを押さないでください』っていう注意書きがあるんだよ。」

「ふんふん。」

「そんで客の男が一人、そいつを見つけてどうしても押したくなるわけよ。」

「その気持ち、分かるなぁ〜。」

「そいつは警備員の目を盗んでそのボタンを押しちまうんだ。」

「へぇ。それでそれで?」

「その先知りたい?」

「うん、どうなるの!?」

「そんじゃ、押してみたら?それ。」


「………。その前振りなんかこわっ!」
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