クラップ
□柚希さんと…
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飲み過ぎた…お酒は強いほうではなんだけどついつい…。
少しフラつく足どりでトイレに立つ。
「なぁ!大丈夫なんか?」
かけられた大きな声に差し出される大きい手。
心配そうなチエさんが洗面につっぷしている私をのぞきこんでいた。
「だいじょーびゅ…れすよ」頭はクリアなのに口から出る言葉は怪しい。
「大丈夫ちがうやんか…もー…ほら」チエさんがペットボトルを差し出してくれる。
「チエさんは、やさしーなー。ふふー」
ほんとにやさしーよ。
優しいから勘違いしちゃうじゃない…
何気なくチエさんを見上げる。
「ちょ、ヤバい…そんな目でみんといてや。」
チエさんが私からサッと目をそらす。
ふと、からだが揺れる。
それでも私の体は倒れなかった。
チエさんが抱き留めてくれていたから。
「チエさんー…いい匂い」
しっかり酔っ払っている私はチエさんの胸に顔をうずめた。
チエさんの腕の力が強くなった気がした。
「ほんまに困った酔っ払いやな…知らんで?」
チエさんは私をしっかり抱きながら耳元で低く熱っぽく囁いた。