クラップ

□大和さんと
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「君にこんな可愛いお友達がいるなんてしらなかったな。紹介してくれないか?」


「まったく君は…。こちらは公爵のご令嬢だよ。」


私の前には整った顔立ちの軍服姿の凛々しい人が立っていた。


「はじめまして、お嬢さん。大和悠河ともうします」そういって私の手をとり、手の甲にキスをした。

「っ!いや!」びっくりしておもわず手をひっこめてしまった。


「悠河くん、失礼したね。姪は社交界に出たばかりなんだ。まだ慣れていないんだよ。」
おじさまがフォローしてくださった。


「おっと、それは失礼。びっくりさせてしまいましたね?」優しく微笑みかけてくれる。


「あ、いえ。わたくしこそ、不躾で申し訳ありません…」恥ずかしくて顔が赤くなる。


「公爵、姪ごさんをダンスに誘ってもよろしいですか?」

おじさまが私の顔を見たので私はこっくりと頷いた。

「お嬢さん、お手を。」
大和さんの手が私を優しくリードする。


「お上手ですね。」耳元で低く囁かれ、びっくりして足を踏んでしまった。


「あっ!ごめんなさい…大和さん…」
どうしよう…


「ふふ。いいから、そのまま。それから、私の事は大和さんじゃなくて、タニって呼んでください」
唇が耳に触れるほど近くで囁かれクラクラする。


「あの…も…」
なんだかとても恥ずかしくてなってタニさんから離れようとした。


「まだだよ。まだ、夜は長いんだ。」
タニさんは私の腰を支えている腕に力を込めた。

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