クラップ
□安蘭さんと…
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トウコさん第二弾です↓
「もう…ええ…帰って」
トウコさんが冷たく私に言い放った。
「…はい」
出来るだけ表情を出さないように私は返事をした。
こんなのいつもの事。もう悲しくない…。
「あぁ、せや、明日は違う子呼ぶから来んでええよ」ドアを開けて出ていこうとする私に後ろからトウコさんが、とどめの言葉をかける。
悲しく…ないはずなのに。うつ向くと涙はポロリとこぼれた。
自分が泣いてる事に気付いてなんだか余計惨めな気持ちになる。嗚咽が漏れそうになってあわてて部屋を出ようとした時。
「なぁ…。嫌なんやろ!?私に抱かれるの。そんな泣くくらい…」
トウコさんが切なそうに問いかける。
「…ちが…っっ」
私はあわててトウコさんに向き直る。
「違うんや?」
強い眼差しで私を見つめながらトウコさんがジリジリと近寄る。
「大勢の中の一人やったはずやのにな…いつのまにか虜になってしもたみたいや」トウコさんは私の涙を親指で拭って、ペロリと舐めた。