12/09の日記

12:26
クラウザーさんとクラウザーさん
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鏡で映したようなその2人は奇妙な連帯感を持って意気投合していた。

「やっぱり自分のやりたい音楽をやりたいよね」

ということらしい。

何故かクラウザーの前に現れたとクラウザーは境遇が似て非なる感じなのだ。

ポップがやりたいのにメタルをやっているクラウザーと、メタルをやりたいのにポップをやっているクラウザー。

端から見てると笑い話だが、本人達は真剣に語り合っている。

2人のクラウザーの違う点は左利きか右利きかの点だ。
ぶっちゃけ2人でギターを持つと左右対称になってかなりカッコイい。
本人達に自覚はないが。

「僕がそっちの世界で音楽やりたいよ」

しみじみつぶやくクラウザーは実感がこもりまくりだ。
でも考えてみればあの姿でポップてどうなんだ、て事は話題にのらない。
考えてないのか忘れているのかどっちなのだろうか。
双方やらされてる音楽や、やりたい音楽をギターとともに歌い批評しあった。

で、こういう音楽でプロとしてやりたかったと双方共に無駄に落ち込んだ。

世の中上手くいかないものだと無言のままに慰め合う。



「ねえ、僕の代わりにライブに出てみない?」

「良いの!?」

サウスポーのクラウザーはやたら嬉しそうに目を輝かせた。

「あ、でも曲を覚えなきゃならないけど、大丈夫かな」

「楽譜みせてみて」

ざっと目を通したクラウザーは1日あれば大丈夫だと笑った。

「あ、でも利き手が変わっちゃうのか」

ま、これだけ外観もギターの演奏も歌声もそっくりなら大丈夫かな、と安易に結論づける。

「アレンジをツインギターにするとカッコイイ感じになりそうだ」

ボソリとクラウザーがつぶやく。

その場のテンションでやってみると確かに迫力がある。
しかしクラウザーは2人も必要ない。
そう考えた2人は無駄だったけど楽しかったねと、ポップな曲も2人で弾きがたってみる。

楽しく曲を弾いたのち、社長に無断で入れ替わりをしようとしたらバレて、ツインギターでライブをやる事になってしまった。
冷静に考えれば利き手が違うのだから当然だ。

クラウザー、もといメタルをやらされているクラウザーは、人生のままならさに気落ちしたらしい。

サウスポーのクラウザーは、かなり楽しめたそうだ。






おわり。






何処までやるのかダブルクラウザーさんのツインギターネタ。
やっている音楽が逆の立場なら、メタルをやりたいクラウザーさんはメタルの才能が無いとかにするかどうか悩みましたが、クラウザーさんがメタルの才能無いなんて嫌だったのでそこはスルーで。

自分楽しいけど読者の方がきっと飽きてるよ。
そろそろ止めときます。
ちょっと満足しましたし。

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