10/18の日記
13:00
クラウザーさんと根岸くんB
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パートB
(また別の話)
根岸が自分のベッドで目が覚めると、驚きのあまり目を見開いたまま固まる。
なんかよくわからないがクラウザーが多分、空中に浮かびながら根岸を覗き込んでいた。
のろのろと上掛けを引っ張り上げた根岸はそのままくるまって僕は疲れているんだと呟いた。
いつまでも上掛けをかぶっているわけにもいかず、恐る恐る布団を出る。
軽く眩暈に襲われながら、やはりいるクラウザーを見ないように台所に向かった。
やかんに火をかけ沸くまで見ていると、何時の間にか背後にきたクラウザーが覗き込んでいる。
根岸は無視を決め込み自分の分だけカモミールティーを準備していると声をかけられた。
『草木の汁か、俺の分も用意しろ』
草木の汁とか言いながら本当に飲むのかと思いつつも2ついれる。
テーブルにカップを置いて一息つき、やっと現実に向かった。
「あなたは誰ですか。
むしろどうやって入ってきたんですか」
『お前が一番知っているだろうに』
ニンマリと笑うクラウザーにどうしたもんかとハーブティーの湯気を眺める。
優雅にカップを持ちカモミールティーを飲むクラウザーに、根岸は本当に飲むんだとボンヤリ思う。
『ふむ。入れ方は悪くないが葉がイマイチだな』
妙に食通な感想をもらい複雑な気分になる。
確かに封を開けてからだいぶ経つため劣化しているかもしれない。
今問題なのはそこではなく自分が作り出したというか元々の内にあったモノかははわからないが、クラウザーは架空の人物像のはずなのだ。
なぜ目の前に存在しているのか。
そこで初めて根岸が最初に夢ではないかと思った事柄を思い出す。
「えーとクラウザー、さん。
なんか空中に浮いてたりしてましたよね?」
クラウザーは酷く楽しそうに腕を伸ばし根岸の胸あたりに手を置いた。
と思ったらそのまま体に吸い込まれるように手が入り込むが痛みはない。
根岸は驚きのあまり微動だに出来ない。
『このまま具現化したらお前の体はどうなると思う?』
クラウザーの笑みを見ながら自分もこんな顔でライブやっていたらヤだなと思う。
しかしクラウザーの言葉に引っかかりを感じゆっくり手を持ち上げる。
根岸の手がクラウザーをすり抜ける。
予想道理な展開に根岸はすでに驚く事はなかった。
『勘は悪くはないな』
クラウザーに誉められていることに意外な気分になる。
「もしかして僕にしか見えないんですか?」
根岸の言葉に笑みだけ深めた。
そして奇妙な生活が始まった。
おわり。
クラウザーさん憑依バージョン。
て感じです。
このクラウザーさんだと色々できそうです。
これだと根岸くんはわりと自由に過ごせるかもしれません。
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