10/16の日記

21:17
クラウザーさんと根岸くんA
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パートA
(パート@とは別の話)




デスレコーズの会議室に和田が入ると既にクラウザーと根岸がいた。

…しばらく固まる。

ゆっくりドアを閉めて廊下で今みたものを考えてみた。

廊下に立ち尽くしていると西田が何も言わずにサッサと会議室に入った。
中からは特に声は聞こえてこない。

意を決して中をもう一度みる。

やっぱりクラウザーと根岸がいた。
西田は別段表情を変えることなく座っている。

和田は何かのパフォーマンスなんだと思い込み、とりあえず席に着いた。

よく見ると根岸はなんだか目が赤く充血していて疲れ切った感じだ。
それに比べクラウザーはふてぶてしく足を組んで座っている。

「なあ根岸隣のクラウザーは誰なんだ?」

和田が恐る恐る尋ねる。

「僕にもさっぱり。
クラウザーだと言っていたよ」

根岸は困り切った様子でクラウザーを見ながら棒読み状態だ。

「クラウザーはお前じゃないのか」

「そうなんだよねぇ」

沈黙がつづく。

騒がしい足音と共に社長が会議室に入ってきた。

「さあ打ち合わせするわよ。
あ?なんだそいつは」

社長は根岸の隣のクラウザーを見ながら煙草をくわえる。

「クラウザーだそうです」

「根岸テメーDMC抜けるために他のヤツをクラウザーの格好にさせてんじゃねーだろうな!!」

クラウザーは可笑しそうに事の成り行きを眺めている。

「違いますよう」

社長のドスのきいた声に根岸は半泣きだ。

「本当にクラウザーみたいなんです。
ただ僕と4メートル以上離れられないんですが。」

「は?わかるように話せ」

「だから…
試してみますか?」


果たして約4メートル以上は離れる事の出来ない事がわかった。

「ライブの時どうしたら良いですか。
僕、舞台の端っこに居なきゃいけないのかな」

どうやら根岸はDMCをクラウザーにまかせて自分は抜けようとしていたらしい。
だが何の因果かある一定の距離以上しか離れられない。
それでは何の意味も無いのだ。

「テメーがメイクを少し変えてサポートでギター弾けば良いだろ」

事も無げに社長が言い放つ。

根岸は反論する気力も無いのか、黙って下を向いている。





次のライブでは名前のわからないクラウザー似の、しかもクラウザーと同レベルのサポートギターがステージにいた。




おわり。





外見と中身が一緒だと根岸くんが逃走する可能性があるのでちょっとファンタジーな設定。
2人いる時点で充分ファンタジーですが。
ツインギターのバンド大好きなもんで。
ナオキくんが現れた時はツインギターになるかとドキドキしましたがアレでしたからね。

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