07/17の日記

12:54
モンスターペアレント
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後味悪いので、それでもよろしければどうぞ。


クラウザーさんキャラがちょっと定まっていない感じのパラレルです。

いちおうこれだけでも読めるように書いたはず。













悪魔の契約



2人の若い夫婦が自分達のことを棚に上げ憤っていた。
「絶対給食費なんか払わないからな」

その夫婦の男が怒りをぶつけるように怒鳴り散らした。

『そんなに嫌なら払わなくても良いよいにしてやるぞ』

家の中に居るというのに見知らぬ男の笑いを含んだ声がした。
夫婦2人が回りを見渡しても誰もいない。

「誰だ!不法侵入で訴えるぞ!!」

『どちらが不法侵入かな?』

夫婦が気付けば自分達の知らない場所にいた。
薄ら寒い気分になり恐る恐る目を凝らすと金髪の男がいる。

クラウザーだ。

「なんだこんな所連れてきて」

男は虚勢を張ったが声が震えていた。
連れの女は男の影に隠れるようにしで同意している。

『なかなか面白いことをいう』

クラウザーが何かいうたびにここから逃げ出したい気分に襲われるが、足がすくみ動けずにいる。

『貴様の望みと共に何かひとつ失う』

「何でも良いのか」

震える声で男が尋ねるとクラウザーが同意した。

「一生働かずに暮らせるとかでも良いのか?」

女がやめた方がいいと言っているが、男は聞く気が無いようだ。

『それが望みならばな』

クラウザーの楽しげな笑みを見ると男は失敗したかと思ったが、その時はすでに見知った自分達の家にいた。

狐に化かされた気分になったが、現実に特に変わったことがないので2人は忘れたふりをした。









その日の夜、男は事故に遭い下半身麻痺と脳に損傷を受けるほどの重傷を負った。
願い道理一生働かずに暮らせる保証とともに。
その代わり自由に歩けなく、手が不自由になるというリスクも負ったが。











さほど楽しくもない結末にクラウザーは契約の代償であるエネルギーの塊を眺めた。
あの男が天寿をまっとうすれば死後の魂も加わりそれなりに使えるようになるだろう。
嫌気のさした女に殺されるのもまた一興。
死すれば悪魔と契約したのだ、魂をとられる。

始めの願いぐらいだったら軽い事故で済んだが、欲をかいたため健康な体を失った。





おわり。















後書き。
うっかり見たドラマから急に書きたくなって仕上げたら、エセシリアスの不条理もんになっていた。

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