フルメタル・パニック!

□デ・ダナンと騎乗兵 1、「チーム」
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ミスリル作戦部所属TDD-1こと、トゥアハー・デ・ダナンの格納庫。


攻撃ヘリ、輸送機、主力ASであるM9が、そして、ミスリル唯一のラムダ・ドライバ搭載AS、アーバレストが駐機してある。


その中で、白と青、黒の三色を使ったASの周りを作業中整備員が囲んでいた。


整備員が囲んでいる三色のASは”ライダー”という名を持ち、優れた機動力と推力を持っていた。


格納庫のキャットウォークにライダーのオペレータ、フィン・キルヒアイス中尉がいた。


まだ着任の挨拶もしていない、着いたばかりのため、まだ操縦服のままだった。


「・・・ここが、トゥアハー・デ・ダナン、か・・・。」


フィンは呟いた後、キャットウォークを歩き、格納庫を出た。


デ・ダナンの通路は普通の潜水艦より遥かに広いと、フィンは感じた。


トゥアハー・デ・ダナン級2番艦”シェリフィム”より、遥かに広いと、フィンは思った。


「・・・ええっと、シェリフィムと同じはずだから、こっちが艦長室か。」


フィンは歩きながら1人ごちる。


その時、フィンは首元に拳銃を突きつけられた。


「・・・誰だ?」


「本日着任したフィン・キルヒアイス中尉であります、で、貴方は誰ですか、と。」


フィンはそう言いながらすばやく振り向き拳銃を奪う。


「なっ・・・!?」


「甘いわ、軍曹殿。」


男の階級章を見てフィンは言った。


「誰だっ!貴様!」と、男は身構える。


「だぁかぁらぁ、さっき言ったわよ、私は本日着任したフィン・キルヒアイス、階級は中尉よ、ちゅ・う・い。」


「・・・はっ!それは大変失礼致しました、中尉殿。」


「で、貴方は?この艦の雑用員?」


「はっ!相良宗介軍曹、アーバレストのオペレータであります。」


「アーバレスト・・・、あぁ、ラムダ・ドライバ搭載の白いASのことね。」


「はっ!肯定であります。」


男・・・相良宗介軍曹は敬礼した後、「案内いたします」と、言った。


「い、いいわよ。それに硬くならなくて結構。私はほとんど単独作戦しかやらないし。」


つまり、小隊長でも指揮官でもないとフィンは言った。


「そうでありましたか。」


「ええ・・・、ココの指揮官に顔出しに行くからもう、いい?軍曹。」


「はっ!」


そう言うとフィンは歩き出す。


相良軍曹も後ろから着いてくる。


「相良軍曹。仕事があるなら付き合わなくていいんだけど。」


「はっ!ですが・・・。」


「大丈夫、デ・ダナンの内部の作りはわかるから。」


「はっ!では、失礼致します。」


相良軍曹は立ち止まって敬礼。


フィンも止まって敬礼。


敬礼をした後、フィンは艦長室に向かって歩き出した。
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