素直になれない(オリジナル小説)
□第三章 勇気をください
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「カイトおにーちゃんっ」
「ぶおわあっ!」
アオは、いきなり小学生くらいのサイズに成長していた。
「な、なななな……」
ようやく慣れてきていただけに、中途はんぱなサイズに戸惑うカイト。
(魔法がとけかかってる……?)
別れの日は、近いのかもしれなかった。
「……どうしたの?カイトおにいちゃん」
ぺたぺたとカイトのほっぺたをさわるアオ。だんだん、今の性格に近づいてきているかもしれない。
「アオ……俺に、勇気をくれないかな」
「うん?」
アオのこと。ちゃんと大切にしたい。
そのことに気付かせてくれたから。もうちょっとだけ、手伝ってほしいんだ。
「俺、好きな子がいるんだ……」
「わぁ、そうなんだ!おにいちゃんもおむこさんになるの?」
「ははは、そうだな……。ちゃんと、言えるかな……」