素直になれない(オリジナル小説)

□第二章 素直になりたい
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「そんなこと……」

笑顔になれなかったのは、素直になれなかったからだ。

「ごめんね、変なこと言って。でも、アオのこときいてくれたってことはチャンスかなって。私も、二人にはうまくいってほしいんだ。アオ、かわいいよ。すっごく可愛いトコあるよ。いつもカイトくんのこと考えてる。そのくせ、負担にならないようにって気持ちを抑えてる気がする。アオ、自分のことなんか全然言わないよ。カイトくんがこれをしてくれないとか、あれをしてくれないとか言ったことは一度もないよ。カイトは私とじゃ笑顔になれないのかな……って、それだけ。貴重だよ〜、こんな女の子は」

ホントだったらもっとイロイロ欲しがって出費が大変なんだから、と冗談めかしていう。

「クリスマスって、いいきっかけだと思うな。じゃあね」

「ああ、ありがとう」

「うまくいってよ?じゃないとただじゃおかないからねっ!」

「……ああ」




ムジナ先輩の言ったことが正しければ、写真を撮った俺は、まだ、まだアオの中で一番のはずだ。

今は、まだ……。

でも、これからは?
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