素直になれない(オリジナル小説)
□第一章 素直になれない
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「あ、カイトくん!」
「よっ、留野(とめの)」
あっ、ホラ!なり子ちゃんには笑顔を向けるんだあっ!
「ホラ見てあげてよ。どう?後夜祭の衣装〜♪」
「……」
「やっ、やめてよ恥ずかしい!」
「いーじゃんいーじゃん♪ほら、誉めてもらいなさいよっ」
長い沈黙のあと、カイトはフッと鼻で笑った。
「ヘンなの」
カッと頭に血がのぼる。
「なっ……?!」
「ちょっとカイトくん……!」
♪バシッッッ!!
「いてぇっ!」
「ばかばかばかばか、カイトのばかーっ!!!」
私は言い捨てて、更衣室に駆け込んだ。