素直になれない(オリジナル小説)

□第一章 素直になれない
2ページ/10ページ

「あ、カイトくん!」

「よっ、留野(とめの)」

あっ、ホラ!なり子ちゃんには笑顔を向けるんだあっ!

「ホラ見てあげてよ。どう?後夜祭の衣装〜♪」

「……」

「やっ、やめてよ恥ずかしい!」

「いーじゃんいーじゃん♪ほら、誉めてもらいなさいよっ」

長い沈黙のあと、カイトはフッと鼻で笑った。

「ヘンなの」

カッと頭に血がのぼる。

「なっ……?!」

「ちょっとカイトくん……!」

♪バシッッッ!!

「いてぇっ!」

「ばかばかばかばか、カイトのばかーっ!!!」

私は言い捨てて、更衣室に駆け込んだ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ