クレヨン日和(オリジナル小説)
□第三章 ちいさな初めて
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午後の仕事は楽しかった。
仕事を始めてから、楽しい、なんて思ったことがなかったので、そのことでも驚いた。
とりあえず、仕事を再開しているフリをして(仕事場として狭いながらも個室が与えられているのが今は好都合だった)手のひらサイズの不思議な少女から色々なことを聞き出すことに時間をあてた。
「きいて、いい、かな?」
おずおずとたずねると、少女は頷いた。
「いいわよ。」
「名前は?」
「私はスゥ・エススルィル。スゥでいいわ」