クレヨン日和(オリジナル小説)
□第二章 ちいさな出会い
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ザッ、と木々の揺れる音がした。
キャーッ、とどこかで子どもの声がしている。
ヒロセの座っているベンチの上に、葉が一枚落ちてきた。
夏のはじめでも、葉っぱが落ちてくることもあるんだなあ……と、ぼんやり見上げていた、そのとき。
ヒロセは気付いた。
「キャーッ」という声が、真上から聞こえてきている!
「キャーッ!!どいてー!!」
葉っぱがゆらゆらとイレギュラーな軌道を描きながら着地したのは――
ヒロセのおでこだった。
目の前にかるく星が飛ぶ。小さな石が当たったみたいだ。まて。ただの葉っぱがなんでこんなに重いんだ?