クレヨン日和(オリジナル小説)
□第一章 ちっぽけな大人
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「ヒロセさん、おはようございます」
「おはようございます」
「今日の校正はこれと、これです。適当に休憩を入れて、終わったら帰っていいですよ」
「わかりました」
同じような会話をして、同じような仕事を受け取り、同じような応答をする。
社会人になるっていうのは、世の中のパーツになることだ。
全体としては面白く動いているようだけれど、一つ一つの動きなんて、同じことの繰り返し。
パソコンに向かって、文章を直して、こんなこと機械にやらせればいいじゃないかと思う。
淡々と仕事をこなす。途中で昼時になり、座りっぱなしだったのでサンドウィッチを持って近くの公園に出る。