素直になれない(オリジナル小説)
□第一章 素直になれない
4ページ/10ページ
私たちもまあ「珍妙カップル」って悪名高いけど、ムジナさん(=曽我さん……美人なのにすごい残念な人……)もかなり浮きまくってる。
「よろしければ、占って差し上げましょうか?」
「え……」
咄嗟に断る言い訳を探した。だって、怪しそうじゃん?!
「放課後、お二人でお越し下さい」
「あ……着替えたんだ」
「あたりまえでしょっ!それより、ちょっと来なさい」
「なんだよ?!お、おい……!」
怒りののこるまんまに、ぐいぐいと占いクラブ(去年廃部になった写真クラブの暗室)へ引っ張っていく。
こうなりゃヤケよっ!
「は、入るのか?!」
「そうよっ、なにビビってんのよっ!」
「びびってねーよっ!なんで俺がこんなとこ来なきゃなんねーんだよ!」
「いらっしゃい……」
ギギ……という音がして、扉が開いた。
「ようこそ、占いの館へ……どうぞ」
「は、はあ……」
へ、へえっ。けっこう雰囲気あるじゃない。