おれんじ

□第0弾
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空を見上げれば清んだ青い海のような世界が広がっていた。
一羽の鳥が羽ばたいている。

地上でうなだれている一人の少年、日番谷はその鳥から視線を外し、眉を寄せた。






成体の破面が現世に現れてから送られて来たのはついこの前のこと。
現世に来て早々戦うはめになってしまった。




正直、準備不足だった。限定解除なしでも倒せる相手だと、思っていた。

負傷したところは井上によって跡も残っていないが、
日番谷が倒した破面、シャウロン・クーファンに苦戦し自分の無力さを思い知った。





(限定解除なしで雑兵さえ倒せねぇとはな・・・一歩間違えればやられたのは俺らだった)





日番谷は空に手を突き出す。

何も掴めないその手はそのまま自分の視界を閉ざした。
















「・・・・・くそっ」





















尸魂界、四十六室の全滅、藍染の生存、市丸の裏切り・・・



日番谷が気がついた頃には全てが終わっていた。

藍染、東仙、そして市丸が虚圏へ行ってしまった後。
最後に見た市丸は、とても悲しそうな顔をしていた。











(ずっと一緒だと思っていたのは俺だけなのか?)





「・・・・市丸・・・・」


















「なんや、随分と愛おしそうに呼んでくれるんやね」






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