おれんじ
□第5弾
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「虚夜宮では危険がいっぱいあります。覚えておいてください。」
「はぁい。」
ここ、虚圏にある危険な物、人に関しての知識を付けるために、ウルキオラは自作の絵本を一護の為に作っていた。
ウルキオラの膝の上にちょこん、と座っている一護の前に絵本を広げ、説明を始めた。
はたから見れば、うらやましいと感じかねない風景だ。
特に悔しがるのは藍染という1名だと思うが。
「まずは藍染様です。一護様に花を散らしているおじさんです。
この方は一護様にとってかなりの危険人物ですので
近づいてきたり、見つけたりしたらすかさず逃げましょう。」
「はぁい」
「何されるかわかりません」
全くだ。
「次は東仙様です。……不思議な方ですが、害はありませんのでご安心を。
…そして市丸様は以前一護様がキツネと申した方です。
日番谷様バカです。日番谷様のことしか頭にない方ですので、一護様には(多分)害はありません。」
「日番谷?…とーしろー?」
「はい。一護様と同じくらいの背丈で一番しっかりとしている方です。
何かあった時は頼ってもいいかもしれません。その際は市丸様に要注意です。
神鎗をいきなり出しかねませんので。」
日番谷は一護にとって安全であるとわかっている為か、この虚圏に来た元・死神の中ではしっかりしているとウルキオラは確信していたのだ。
流石、というところだろうか。
「次は、我々破面です。まず、一護様が小さくなられたのはこの男のせいです。
趣味の悪いどっピンクの頭に眼鏡をしています。
滅多に会うことはないと思いますが、一応用心ください。」
ひとつページをめくり、説明を続ける。
「そして、以前一護様も会いました、グリムジョー・じゃがいも・ジャックですが、正直馬鹿です。
話しをするとバカがうつるので話してはいけません」
というウルキオラのご指導のもと、思い返しながら白い廊下を歩き続ける。
その先にはグリムジョー。
一護に気付いたのかグリムジョーは方向転換し、一護の目の前でしゃがんだ。
「オイ。1人で歩いて何処に行く気だ?」
「……」
ウルキオラのご指導の成果なのか、グリムジョーを見るだけ。
何とも忠実なのだろうか。
「オイ、聞いてんのか?」
「ウルキオラにな、ぐりむじょーと『話しをするとバカがうつるので話してはいけません』って言われたんだ。」
言い方もすっかり元の一護と変わりもなくなってきた。
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