おれんじ

□第3.5弾
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虚圏では最近、春がやってきたようだ。

もちろんあの小さい一護によって。

一護がまだ夢の中にいる時間、ウルキオラは起こさないように静かに藍染の元へ向かった。

呼ばれたので仕方ない。







扉は大きな音を立てて開かれ、静かに入っていく。





「藍染様」





ウルキオラに背を向けていた藍染が、その声にゆっくりと振り向いた。



「私の一護は居ないのかい?」

「(呼びだして第一声がそれ!?)・・・はい。お休みになられていましたので」



あくまで冷静に対応をする。








藍染の手には虚圏の誰もが着ている白い服。

藍染によってつくられた服はウルキオラの元に渡された。



「どうだい、ウルキオラ。我ながらいい出来だとは思うんだが。」



その場で広げて見ると、意外ときちんとしたものであった。





藍染のことだ。

きっとロリコンなのでかわいい一護のために女物のような服を用意すると考えていただろう。

しかし、なんとも普通に出来上がっているそれは、ウルキオラと同じデザインのものとなっていた。





「まとも・・ですね。」


「・・・え?」


「(やばい・・・)いえ、良い出来ですね。」


「フフフ・・・そうだろう。一護のために徹夜してしまった。」





自慢げにいう藍染にウルキオラは小さくため息をもらしてしまう。

なんと突っ込めばいいのだろうか。

徹夜でやるくらいならばきちんと仕事をすればいいものの・・・。

毎日毎日一護のストーカーをしては仕事が溜まる。

そんなウルキオラの考えを余所に、高笑いしながらウルキオラに自慢話を藍染は続けた。




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