TOLその後…

□8 喧嘩、のち…
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「ちょっと待て!」


クロエがそれを止めた。

「みんな来てるんだぞ。お前だけ来ないのはおかしいだろう。」


「あんなやつ、俺は信用してない。シャーリィをさらおうとしたやつだぞ。」


「さらおうとしたのはギルフレイ殿じゃないだろ!?」



そのクロエの言葉を聞いてセネルは少し心がむかっとした。


「やけにあいつの肩を持つんだな」


「な…なんでそうなるんだ!?」


「そういう風に聞こえたからだ!」


徐々に2人の空気が悪くなる。お互いがこれからどうなるかを知っていた。しかし止めたいのに止められない。


「本当にお前は頑固な奴だな!!」


「お前に言われたくない!」


「シャーリィだって来てるんだぞ!?お前だけこんな所にいてどうするつもりなんだ!?」



「うるさい!!大きなお世話なんだよ、俺なんかほっといてお前ひとりで戻ればいいだろ!!」



「もういい!!クーリッジのバカ!!」


クロエはセネルに背中を向け走り出した。



「ふん」

セネルは扉を閉めた。

「なんなんだよ、あいつ…」

喧嘩した相手への怒り。そして喧嘩したことへの後悔。二つが入り交じってセネルの心は重くなる。





一方こちらは騒がしい店内
モーゼスとジェイはいつものようなやりとりをし、それを見るノーマとシャーリィが笑う。
モフモフ3兄弟も楽しそうだ。



「幻のグランゲートの頭骨を見つけたときは本当に興奮したものだ!」


ウィルは酒が入って上機嫌だ。目がキラキラしている。


「俺もクルザンドの兵千人と一人で戦り合って勝ったときは身震いしましたよ」


正確には千人ではなく二百人である。
2人の話は全くかみ合ってないが別に気にしてないようだ。


「この酒は初めて飲んだが、なかなかうまい。なんて酒だ?」


「コルティって言うんですよ。結構強めだけどいけるでしょう」



2人は酒を酌み交わす。その時。クロエが勢いよく入ってきた。

「あ、クロエさんお帰りなさい。」

「クーおかえり〜」


クロエはただいまと一言言うと、そのままの勢いでクロロの隣にどかっと座った。


「お、クロエちゃんどこ行って…」


クロロが言い終わるより先に、クロエは手元にあったグラスの酒をグイグイ飲みほした。

「ぷはっ、ふぅ」


「おま!こんな強い酒を一気に飲んだら…」
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