TOLその後…

□5 あるべき場所にあるべきものを
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ジェイはガドリア騎士隊の借りている宿の場所だけは事前につかんでおり、
宿に入るとまずクロロの泊まっている宿へ向かった。





(けっこう綺麗な宿だな)

この宿はウェルテスにできた新しい宿でジェイも入るのは初めてだった。






「クロロ・ギルフレイ様ですか?
……当宿にはお泊まりになっておられないようですが…」



「え?おかしいな…ここにガドリアから来た騎士の方々が泊まっていると聞いたんですが…」



「はい。確かにガドリアからのお客様方はお泊まりですが、クロロ様という方はおられませんでしたが…」



「そう、ですか…わかりました。ありがとうございます。」


ジェイは宿を出る。

「いないって…いったいどこにいるんだ。」



ジェイがクロロを捜しながら街を歩いていると、向こうからモーゼスがやってきた。



「おー、ジェー坊!何キョロキョロしとんじゃ?そんなんじゃとおかしな奴と思われるぞ。」



「まあ、年中裸のモーゼスさんの変質者っぷりには負けますけどね」



ジェイとモーゼスはいつものように挨拶を交わす。


「っていうかなんでそんな傷だらけなんですか…?」


モーゼスの体には恐らく今日ついたであろう細かな生傷が無数にあった。


「いや、まあ色々あっての……ところでジェー坊はひとりで何しとんじゃ?」


げんなりとした表情でジェイに尋ねる。


「…。クロロ・ギルフレイを探しているんですがモーゼスさん、見かけませんでしたか?」




「あの騎士の兄ちゃんのことか?そういえばシャボン娘が今朝会ったとか言っちょったが…」




「そうですか…ありがとうございます。
じゃあノーマさんのところへ行ってみます。」


「おう。」


そう言うとジェイはノーマが泊まる宿へ向かった。






「ノーマさん、いますか?」



ドアをノックするが返事はない。
―いないのかな?





「あれ、ジェージェーじゃん。どったの?なんか用〜?」


ノーマは手に大きな荷物を抱えている。
どこかに行ってたのだろうか。


「ちょうど良かったみたいですね、ノーマさん。ちょっと聞きたいことがあるんですけど」



「ちょっと待ってー。重っ!これ重!今鍵開けるからこれ持ってて!!」



ノーマはジェイに荷物を渡し、ドアを開け部屋の中に入った。
ジェイも荷物を持って部屋に入る。


「それそこに置いといて〜」

ノーマはテーブルの上を指差した。


どすっといういかにも重そうな音がした



「…ふうっ。こんなにたくさんのガラクタいったいどうしたんですか?」



「ガラクタ言うな〜!今日新しく見つかった遺跡に行って取ってきたの!
…荷物持ちにモーすけ連れて行ったんだけど、途中で逃げちゃってさ〜、ここまで持ってくるの大変だったんだからね!!
あー、だめだ!こりゃ明日は筋肉痛だ〜」



そう言いながらベッドに横になるノーマ。
ジェイはため息をついた。

(モーゼスさん…そういうことか…)
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