TOLその後…

□2 クロロ・ギルフレイ
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「ワレは…」


「……」


モーゼスは男を睨みつけ、シャーリィは黙ってしまった。



ガドリア騎士の正装に身を包んだその男たちの中に1人、
かつて水の民を追い詰めた騎士団長の姿があった。



「あんた…何しにきたのよ!帰れ!帰れ!」


ノーマが怒鳴る。



「ふん。言われずとも、私も早く国に帰りたいのだがね。」


「なんじゃと…!」


モーゼスは威嚇する。後ろにいるシャーリィも黙ってはいるが、その目には怒りが見て取れた。


騎士隊長は口を開く


「半年前の世界を襲った事件についてそこにいるメルネスには重要参考人として
我が国に同行願いたいと思ってな。」


淡々と喋っていたが、その顔にはうっすらと笑みがこぼれていた。



「…なんで「なんでそうなるんですか!私たちは何も関係ありません!…もう、ほっといてください!!」


ノーマが言おうとしたことがシャーリィの口から出た。
我慢ができなかったのだろう。



「黙れ!身の潔白は法廷でしてもらおう!!」


無理矢理シャーリィを捕らえようとする騎士隊長をウィル、モーゼス、ジェイが立ちふさがった。



「待ってください。」



そう言ってひとりの男が間に割ってきた。

その男は黒い短髪、両腰に刀を一本ずつ携えていた。


「そんな声を荒げることもないでしょ。隊長殿は少々感情的になりすぎです」



申し訳ないと言いながらシャーリィに近付いた。


「ワレェ!!」


モーゼスは近づけさせまいとその男の腕をつかんだが、男は全く意に介さず。


何事もなかったようにシャーリィに近づき、顔をまじまじと見た。


シャーリィも男の目をじっと見る。その目には少女とは思えない力が込められていた。





「隊長殿…本当にこの娘がメルネスなんですか?」



「そうだ、早く捕らえよ!」
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