TOLその後…
□20 約束
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「な、なななー!?」
「あ…」
ノーマは驚き体をのけぞらし、セネルはクロエの肩に置いてた手を思わず離した。
他のみんなも同様に驚いていた。
いや、一番びっくりしているのは抱き締められているクロエ本人だろう。
顔を真っ赤にし、口をパクパクさせている。
「よかった、無事で。」
「…え」
クロロはクロエの耳元でそう呟くと、ようやく彼女を放した。
クロロは立ち上がり、クロエはペタンと腰をおろしたまま。
ぽけ〜っとクロロを見上げていた。
「あ…あの…」
クロエはお礼が言いたかった。
だが恥ずかしさで口が回らない。
だって男の人にあんな風に強く、優しく抱き締められたのは初めてだったから…
「俺の刀を」
「は…はい。」
ジェイは刀を渡した。
クロロは「ありがとう」と言いながら刀を受け取りそれを腰に差す。
「君たちはもう武器をしまっていい」
クロロの口調は先ほどまでの弱々しさはなく、むしろ威圧的に感じ取れた。
一行はクロロを先頭に部屋を出た。
そんな中、クロエは恥ずかしそうに一番後ろを歩いた。