TOLその後…
□14 王、動く
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彼らは灯台の街へ向かって走っていた―――
なぜ?
その理由は数時間前にさかのぼる。
***************************午前、水の民の里
「・・・それでは聖皇陛下に我々の旨を伝えておいてくれたまえ」
「はい、本当にありがとうございます。」
マウリッツとウィルは握手を交わした。
そのとき、里の入り口の方でなにやら叫び声が聞こえてきた。
何事かと思い、外に出てみると、男がなにやら騒いでいた。格好を見ると街から来たらしい、汗まみれで、服は汚れていた。
その男はウィルたちの姿に気づくと、慌てて近づいてきた。
「ウィルさん!!た、たたた大変です!!!すぐ街へ戻ってください!!」
慌てふためく男の様子にウィルたちはただならぬ不安を感じた。
「落ち着け!いったい何があったのだ?」
ウィルは興奮する男をなだめるようにゆっくりと尋ねた。
「…は、はい実は…ウィルさんたちが街を出発した日の夜に……」
「・・・・」
「正体不明の軍勢が街に攻め込んできたんです!!!!」
『王、動く』