TOLその後…
□10 疼く傷 胸の痛み
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ここは街の入り口
「もう大丈夫です…落ち着いてきました」
エルザはそう言うと背中から降りた。
「あの、クロロさん…助けていただいてありがとうございます」
エルザはクロロにお礼を言った。
「お礼なんかいいって。困っている人を助けるのは騎士として当然だからな」
クロロは笑顔を見せる。するとエルザも笑って
「なんだかクロロさんってクロエさんによく似てますね、言ってることとか。」
「へえ、あの娘は騎士であることに誇りを持ってるみたいだな」
クロロは頼もしいと感じながらタバコを吸う。
「はい〜!そこがかっこいいんですよね〜、クロエさんって//」
「尊敬してるんだな、クロエちゃんのこと」
クロロがそう言うとエルザは顔を真っ赤にした。
「…はい〜憧れてますっ//女の子なのに強いところも、スタイルがいいところも、クロエ・ヴァレンスって名前も、美人なところも、騎士なところも…」
きゃっと赤い顔を隠すエルザ…
「…」
手に持った煙草の灰が落ちた。
「あ…!すいません、あたしったら…恥ずかしい…」
「え!?…あ、いや!まあ、なんだ、よーするに全部好きってことね」
あはは…と笑うクロロにエルザはますます赤くなった顔を隠した。
その時――
「エルザ!!」
クロエが走ってきた。汗だくな様子を見ると相当走ってきたようだ。
「あ、クロエさん」
「"あ"じゃないだろ!?まったく…こんな遅くまで何をしていたんだ?」
クロエは怒ってるようだ
「クロエさん、怖いです…」
エルザは焦ってる。
その様子を見たクロエはこほんと咳払いをしてクロロを見た。
「失礼しました。ギルフレイ殿もご一緒だったのですか」