TOLその後…
□9 暗雲の予感
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「セネセネ遅ーい!」
ここは噴水公園。
朝からノーマの怒号が響きわたる。
「…そんな事言ったって話が急すぎなんだよ。」
セネルは頭を掻きながらまだ眠たそうにしている。
「だいたい何でいきなりピクニックなんだ?それもこんな朝っぱらから。」
セネルは正直な疑問を仲間達に尋ねた。するとクロエが呆れながら
「クーリッジ…朝っぱらって、もうすぐ昼だぞ、まったく…」
普通に対応したクロエに驚き、他の仲間はみんな彼女を見た。
「な、なんで私を見るんだ?」
「え?いや、なーんか想像と違うな〜って思ってさ」
ノーマは不思議そうにしてる。
「想像と違うって何のことだ?」
そんなノーマにセネルが尋ねた。代わりにモーゼスが口を開く。
「セの字とクッちゃん、喧嘩しとったんと違うんか?」
「別に・・・なあ。」
「も、もちろんだ!私はクーリッジと喧嘩などしていない。」
セネルはとぼけたように、クロエは腕を組みながら(少し顔が赤い)喧嘩説を否定した。
意外な2人の態度にしばらく一同はぽかんとした。
「はいはい!何もなかったんならそれでいいじゃない。早くピクニックへ行きましょ!」
パンパンと手を叩きながら一番幼いハリエットがその場をしめた。
それに促され、一同は動き出した。ジェイとモーゼスが小声でぼそぼそと
「なにがあったんじゃ?あの2人」
「さあ…せっかく仲直りをするキッカケを作ったのに、必要有りませんでしたね。」
そう、このピクニックは喧嘩したセネルとクロエが仲直りをするために仲間達が急遽計画したものだった。
だが2人は昨夜すでに仲直りをしていた。