TOLその後…

□8 喧嘩、のち…
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「エルちゃんさ〜、クーどこ行ったか知らない?」

ノーマがエルザに尋ねる。エルザはそのときちょうど食べ物を頬ばっていたので、しばらく手で口元を隠しながら喋った。

「もご…はふ、…す、すみません///。クロエさんなら忘れ物を取りに病院へ戻りましたけど。」


「ふ〜ん…」


「私も着いていきますって言ったのにクロエさんひとりで行っちゃうんですもん」


エルザはつまらなそうにした。


しかし他の連中は騒いで楽しそうだ。
大人組はカウンターで酒を飲んでいる。(カーチスはすぐにイザベラに連れ戻されて、ここにはいない。)
その中でクロロはなぜかひとり涙していた。そのすぐそばにはハリエットがいて



「ううぅ…、うまいよ、お嬢ちゃん…ぐすん。」


クロロはもはや笑うこともできず、目に涙を浮かべ、口の中からはジャリジャリという音が聞こえ、なかなかそれを飲み込めずにいた。


「泣くほどおいしいってことね!パパにも明日同じ物を作ってあげるね!今度はもっと工夫するんだから」


新作に手応えを感じたのか、ハリエットは満足そうにノーマたちのところへ向かった。



ウィルは申し訳なさそうにクロロの背中をさすり、酒をついでやった。



皆が店で騒いでいる時、クロエは夜の暗い道を一人で歩いていた。
病院ではなく、
セネルの家へ…


部屋の明かりがついている。クロエがドアをノックするとセネルが出てきた。


「…なんだクロエか、何か用か?」


「何か用かじゃないだろ、まったく。迎えに来たんだ」


クロエは腰に手を当てため息をついた。


「…俺は行かない。」


セネルはドアを閉めようとした。
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