TOLその後…
□5 あるべき場所にあるべきものを
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ここはモフモフ族の村
ジェイは自室で頭を抱えていた。
「う〜ん…。これじゃあガドリアの来た目的がよくわからないな。」
部屋にピッポが入ってくる。
手にカップを持っていた。
「ジェイ、コーヒー入れたから飲むといいキュ」
「ありがとう、ピッポ。」
ジェイはコーヒーを受け取ってすすった。
少し苦かったらしく、砂糖をいれる。
「ジェイ…ごめんキュ、ちゃんとやれなくて」
ピッポの耳が悲しそうに垂れた。
「ううん、ピッポ達は何も悪くないよ、そんなに謝らないで」
しゅんとするピッポに笑顔を見せるジェイ。
ジェイはいつものようにキュッポ達にクロロとガドリア騎士について調べるよう頼んでいた。
しかし調査に出た者は皆何もつかめないまま戻ってきたのだ。
そして口々にこう言うのだ。
「怖い」と
ジェイはまた考える。
(なぜガドリアは今来たんだ?
シャーリィさんを疑っているなら事件が起きている最中、もしくは直後に来るはず…)
(それに少し癪だけど、モーゼスさんの言うようにクロロ・ギルフレイに敵意は見られなかった…)
「その気になれば力づくでも連れていけるということなのか、それとも他に何か目的が…」
普段、情報収集において頼りにしているモフモフ族がだめとなり、調査は行き詰まっていた。
(とにかく怖がっているみんなに頼むわけにはいかないからな
…シャーリィさんにああ言った以上自分ひとりでもなんとかしなくちゃ)
「よし」
ジェイは村を出て、ウェルテスへ向かった。