3rdSS
□君の心
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正直、安心しきってたんだ……
ライバルは回りにたくさんいたけど…それでも今一番近くにいるのは自分だと思ってた
毎週の様にデートに行ってたし、何度も俺の家にも来たし……
正直、好きでもない男の家にノコノコ来る様なそんな奴じゃないし
やっぱ、何度考えても、1年上の彼女春日 さくら にとって自分のポジションは限りなく彼氏に近いと思う
ただ…まだ告白なんてしてなかったし……
でもでも、やっぱどう考えても俺特別だって思っちゃうって…
だって、さくらちゃんの家にお呼ばれなんてはば学で俺だけっしょ?……いや…琉夏さんと琥さんは別枠っていうか……
だー!!問題はそこじゃなくて……俺が何で悩んでるかだって!!…
……ーー君の心ーー……
事のきっかけはさくらちゃんからの電話で今度の日曜に自宅に来ないかと誘われた事だった
バカみたいに浮かれた調子で、いつかのデートの時にペアルックみたいって言っていた服とか引っ張って着ちゃったりとか……
あぁ…居た堪れないって……俺……
上がり込んださくらちゃんの家は女の子の部屋って感じで、綺麗に整頓されてて、ちょっとそわそわしつつ何でもない話しをする
実はこういう落ち着いた空間って苦手だった時期もあった筈なんだけど…今はこの瞬間が一生続けばいいとさえ思う
さくらちゃんの回りは空気が柔らかくなる
マイナスイオンでも出してんじゃねーの?ってからかうと柔らかい笑顔が返ってくる
その笑顔に癒されてるんだからあながち間違いじゃないと思うんだけど
「お茶入れるね?」そう言って部屋から出て行った隙に部屋の中を見回す
本棚にはお堅い参考書から最近の話題作まで様々な本が並べられている…ジャンルもバラバラなのに、どこか彼女らしさを感じた
だって、さくらちゃんの回りには色んなタイプの男子がいるのに、誰にだって合わせれてるし
俺と嵐さんにってだけじゃなくてあの桜井兄弟しかり……会長と……聖司さんにも……
本棚から少し目線を逸らせると机の上の写真立てが目に入ってくる……
その中には聖司さんの写真が飾られていた……
俺よりも2つ年上で…さくらちゃんよりも1つ上の先輩
生徒会長を務めていた玉緒さんの友達で……さくらちゃんの………何?
ふと記憶の片隅にあった映像がフラッシュの様に脳に焼きつく
なんか…嫌な事実思いだしちゃったかも…
こめかみに指を当てて軽く押さえる
俺がさくらちゃんとあって2回目時…
ナンパに絡まれてて困った様子だったから助けた
服装からしてデートなんだろって思ったし…正直、初めて会った時から気になってたし…様は一目ぼれした女の子が絡まれてたら男なら助けるっしょって話で……
その後遅れて待ち合わせ場所に現れたのが………聖司さんだ……
遠目で見てたから顔まではよく見えなかったけど……今ならわかるって…絶対聖司さんじゃん
気付いたら深ーい溜息を吐いてて、タイミング良く紅茶が入ったカップを運んで来てくれた所だった……
やべ……絶対いまの溜息聞かれた……
せっかくの楽しいデートだったのに…勝手に部屋見回して…勝手にへこんで……何してんだろ……ほんと
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