1stSS

□夏合宿
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「あっつーい!!」

照りつける太陽、眩しそうに空を見上げる

「3年生は最後の合宿だ、気を引き締めて行きなさい」

部活の顧問である氷室先生の号令で私たち吹奏楽部が合宿所に入る

(この合宿が終われば私たち3年は引退なんだなぁ)

しみじみと澪が考えていると
「オイ」と後ろから肩を叩かれた

「ぼやっとしてんじゃねーぞ」

言葉とは裏腹に、今日からバスケ三昧の生活に目を輝かせながら声をかけて来たのは鈴鹿和馬
澪の悪友であると同時に親友だ



「みぃ〜」

高らかな声に和馬と二人振り返るとそこには澪の親友である藤井奈津美の姿があった

「みぃ、食事当番一緒だってさ♪今年は何作る?」

毎年合同の合宿所では部活の女子が食事を、男子が掃除を担当している

「今年は肉じゃがにしようかなって思ってるんだ♪」


「おっ!お袋の味ってかぁ」

「もうそんなんじゃないよ〜」

2人の会話に和馬は入るすべても、又入る気もなく

バスケ仲間の方へと駆けて行こうとしたがそんな和馬に奈津美がストップをかける

「ちょーと待った!!」

「何だよ」

怪訝そうに振り向く和馬に耳を貸せと手招きをする

澪に抱きついたまま、澪にも聞こえる様に小声で話す

「今日、修学旅行のリベンジ戦ね!
時間は午後9時頃…場所は男子大部屋…いいね?」


奈津美の言葉に和馬の目が燃える

「上等だ!あの時の決着つけてやるぜ!!」

メラメラと闘志を燃やす和馬とは別に澪は首を傾ける

「みぃどうしたの?」

奈津美に問いかけられて澪は口を開く

「でも…まどかって部活してないんじゃ?」

「あぁ」と奈津美が納得という表情をする


「姫条ね、あいつは後で忍び込む予定
もち、ルート作りはこの奈津美様よ♪」

ウインクを飛ばす奈津美に澪は「なるほど」と手を合わせていた


「だったら男子の方には俺から言っといてやるよ」と和馬が言うと「もち、そのつもり」と奈津美が返す



「じゃ、9時に」


それぞれの部活に戻って行った









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