1stSS

□バレンタインSS
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「はい、これ、チョコレート。」

そう言ってチョコレートを渡したのは"東雲 澪"

「えっ、おまえでも女らしいとこあんだな、サンキュ」

そう言ってチョコレートを受け取ったのは"鈴鹿 和馬"

そして、この日は心ときめく2月14日のバレンタインデー




『私だけのもの』



「ねぇ、和馬って毎年どれくらいチョコもらってるの?」

「はぁ?んなもんいちいち数えてねぇよ。」

先程澪に貰ったばかりのチョコを勢いよくカバンに詰め込む

「…実は…もらってない…とか?」

「…うっせぇよ、チョコなんてのはな、俺は別に欲しくもねぇよ」

「じゃ、返して?」

「はぁ…?」

「だっていらないんでしょ?」

少し意地悪気に澪は言うと

「いらねぇなんて言ってねぇ、これはもぅ俺のもんだからな!」

そう言い残し体育館の方へ駆けて行ってしまった

それを見て、その場に佇んでいた澪は和馬が居なくなったことを確認してから笑みを零した

澪は密かに和馬に想いを寄せていたのだが、友達として付き合って来た為に、つい、憎まれ口を叩いてしまう

澪はそんな関係が好きだったのだが…やはり少しは自分の想いに気付いてほしいと思う

いつまでも少年のような瞳、本当にバスケ一筋って感じで、澪のはいる隙間なんてないって感じだ。

一年生の時はそれで良かった……でも…2年生にあがった時に和馬がモテるという事を知った…

唯一の救いが和馬が恋愛に興味がないことだ…

「私と和馬の共通点なんて、私がバスケ見るのが好きで、和馬がプレーするのが好きってことくらいだもん…ね…」


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