1stSS
□Very short
2ページ/11ページ
<尽→主人公チャン>
あの日の事は今でも良く覚えてる…
俺はあの日、姉ちゃんを迎えに行ったんだ…
ー卒業ー
高校生になって、姉ちゃんはよく出かけるようになった。
買い物に行っても1点だけ買って来たりとかそんなんばっかで、何も買って来ないことも珍しくなかった。
姉ちゃんいわく、「見てるだけでも楽しいの」らしい…
それでも、男とデートに行くよりはいい
情報も教えてるけど…あんまりいい気はしない…
でも俺、弟だし、
姉ちゃんの事は好きだけど…家族愛だしさ
ただ、最近はちょっと俺もシスコンだよなぁとか思えて来る
3年間、初詣も一緒に行った、本当にあの日まで、男の影なんか全然なかったんだ
よくPCでメールしてたみたいだけど、どうせ、アルバイト募集か友達だろうとばかり思ってた
だから、俺はあの日、姉ちゃんの卒業式、迎えに行った
教会の扉開けようとするとさ、声が聞こえて来たんだ…
姉ちゃん…嬉しそうに返事してる…
隙間からそっと覗くと、逆光のなか2人の黒い影が重なった…
俺も…卒業か…
俺のは家族愛…
家族愛なんだ…
必死に言い聞かせて…
唇をかみしめ頬を伝った涙は俺だけの秘密…
…―姉ちゃん…卒業…おめでとう―…
…俺の淡い初恋が幕を閉じた日…
今ではもぅ…いい思い出…
fin