1stSS

□Very short
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<尽→主人公チャン>


あの日の事は今でも良く覚えてる…

俺はあの日、姉ちゃんを迎えに行ったんだ…


ー卒業ー


高校生になって、姉ちゃんはよく出かけるようになった。

買い物に行っても1点だけ買って来たりとかそんなんばっかで、何も買って来ないことも珍しくなかった。

姉ちゃんいわく、「見てるだけでも楽しいの」らしい…

それでも、男とデートに行くよりはいい

情報も教えてるけど…あんまりいい気はしない…

でも俺、弟だし、

姉ちゃんの事は好きだけど…家族愛だしさ

ただ、最近はちょっと俺もシスコンだよなぁとか思えて来る

3年間、初詣も一緒に行った、本当にあの日まで、男の影なんか全然なかったんだ

よくPCでメールしてたみたいだけど、どうせ、アルバイト募集か友達だろうとばかり思ってた

だから、俺はあの日、姉ちゃんの卒業式、迎えに行った


教会の扉開けようとするとさ、声が聞こえて来たんだ…

姉ちゃん…嬉しそうに返事してる…

隙間からそっと覗くと、逆光のなか2人の黒い影が重なった…


俺も…卒業か…

俺のは家族愛…
家族愛なんだ…

必死に言い聞かせて…

唇をかみしめ頬を伝った涙は俺だけの秘密…

…―姉ちゃん…卒業…おめでとう―…




…俺の淡い初恋が幕を閉じた日…

今ではもぅ…いい思い出…


fin
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