2ndSS

□約束
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渡された手紙に「ごめん」と添えて返す

目の前で遠慮なく流される涙になんて言葉をかけていいかわからなくて…また「ごめん」と口にする


どれだけ泣かれても…俺の心にはずっと別の人がいる…


付き合っているわけではない……

でも片思いっていう訳でもないんだ…


そんな事説明するのは難しくて…


断る理由は「好きな人がいるから……」

自分で言ってて悲しくなってくるよ…




あの日…確かに俺は想い人である小波 鈴 に思いを告げた

その時確かに言ったんだ…


「大きくなったらね」って


それっていつまで?



大人になったらって事?



それは精神的に?




それとも……身体的に??



目の前でまだ泣き崩れている女の子…

正直名前もよく覚えていない……



「ありがと…」小さく告げてその場を立ち去る……
俺に慰める資格なんてないから



俺が背中を向けると校舎の方から数人の女子が出て来て慰めてる


出来ればもうちょっと早く出て来て欲しかったよ




ペコっと会釈して後はよろしくとそのまま振り返らずに立ち去る


渡り廊下に差し掛かったところで今度は男子が群がっていた


「よっ色男!返事なんて言った?」

肩に手を置いたのは友達だった

今月に入って3度目の呼び出しに組の中でも噂になってる様でその度にこうして渡り廊下で待たれている…

皆今の季節はやる事がなくて暇なのかもしれない…


苦笑いを浮かべつつ「いつもと一緒だよ…」と答える


少し離れたところに居た組の女の子が「クス」と笑った


笑える事なんてなにもないのに…


「音成くんの好きな人ね……昨日男の人とデートしてたよ♪」

嫌な笑を浮かべてる……


「それでも俺が好きな気持ちには変わりないよ」


にっこりと笑って答えると気に添わなかったらしく

「ふん」

と振り返り去って行った



「性格きっつー」

隣で呟かれた言葉に「優しいんだよ」と返すと「あれは嫌みだろ?」と笑われる

「そっか」と苦笑で返す……





……確かに言った言葉に嘘はない………



でも気にならないわけではないのは確かで……



引き連れて教室に戻っても先程の言葉が頭の中をくるくるとまわっていた



だって……俺との約束は将来の事で…全然お姉ちゃんが誰とデートしてようと俺には止める権利なんてないんだ……


まだ中学生の俺と大学生のお姉ちゃんとは付き合い方だって違うはずだし…


高校生の頃からお姉ちゃんはモテたし…デートだっていっぱい行ってたんだ……


その時も気にならなかった訳じゃない……


でも…俺は今も昔も「デートに行くな」なんて勇気も権利も持ち合わせてないんだ……





担任の話しを聞きながら…窓の外を見る…


気になる気持ちを抑えきれなくて帰りに大学へ少し寄ろうと決める


会えなくてもいい………それでも…気持ちを鎮めるためにも行って置いた方がいいようなきがして……



担任の号令と同時に教室を出て行った









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