1stSS
□sparkler
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はばたき学園を卒業して1年、澪は手にグッと力を入れて握りしめ、視線をあげて窓の外を見ると、花火大会の花火がちょうどうちあがり始めていた…
「零一さんの……バカーーーー!!」
[sparkler]
事の始まりは花火大会の2日前
「零一さん、今年こそは、もう生徒と先生の関係じゃないから、花火大会一緒に行きましょうよ?」
カタカタと無機質な音を奏でるPC
話しかける澪の方も向かずに「そうだな」と返事が返ってくる
「ほんと!やったぁ、じゃあ、なっちん誘って浴衣買いに行こう〜♪」
鼻歌まじりに携帯でメールを送った
次の日、奈津美と供に浴衣を新調して今日という日に備えてきたというのに……
午後3時頃に零一の部屋を訪れると部屋には明かりがついてなく
「あれ……零一さん出かけてるのかな…」
ソファに巾着をポンと投げほり、澪も腰かける
「零一さん褒めてくれるかな?」
今日は早起きして、着付けや髪をまとめたり、お化粧をしたりと自分で出来る限りのおしゃれをした
「うーー退屈」
ソファに体を預けるとそのままゆっくりと瞳を閉じる
知らず知らずのうちに寝てしまっていたらしく、目を覚ますとあたりは真っ暗になっていた
「……」
ここで冒頭に戻る…
思いっきり叫ぶとはぁはぁとその場に座りこむ
携帯を見ると、着信がもう10件近く入っていた
パタンと携帯を閉じると「しらない」と一言残して部屋を後にした