1stSS

□背伸び
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「澪さん!待って下さい」


ふいに呼び止められて振り向くと、渉が慌てたように駆けて来る
その場に居た友達が「先に行くね」と別れたことを確認すると「渉どうしたの?」と歩み寄って来る

澪の問いかけに対して

「「どうしたの?」じゃないッスよ!澪さん…マネージャー引退してからあまり会えなかったから…」

「あ、ごめんね。今まで部活ばっかりだったから、友達と遊んだりとか…あと…やっぱりオシャレとか…ほら…私も一応女だし」

へへへっと笑うと渉はジッと顔を見て

「本当っすね…澪さん…キレイっす…」
と少し哀しそうな顔をした

「渉?」

「あっ、いえ、何でもないッスよ!それじゃあ…呼び止めちゃってスミマセンっした」
駆けて行こうとした渉の手をとり

「今度の日曜日、久しぶりに遊びに行かない?」
澪の誘いに渉は一瞬嬉しそうに頬をゆるませたが
すぐ考えるような顔をした

「スミマセン……やっぱ、自分用があるッスから…」
スッっと手を払い、トボトボと歩いて行ってしまった

「部活……上手く行ってないのかなぁ……」

心配そうに渉の背中を見送る



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