小説(原作沿い)
□桜都国サイドストーリー (完結)
1ページ/6ページ
「ファイさん、遅いですね…」
小狼が呟く。
壁にかかった時計は、既に九時をさしていた。
「もしかして、事故にあったとか…」
はらはらとさくらは心配していた。
「大丈夫だろ」
根拠もなしに黒鋼は、さくらを落ち着かせるために言った。
が。
―遅すぎる。
三人と一匹(?)はそのことが気に掛かっていた。
何をしに行ったのか?
どこへ行ったのか?
それが、留守番をしていたはずのさくらやモコナにも分からなかった。
知らない、わからないの一点張りだ。
さくらやモコナによると詳しく告げずに出掛けたらしい。
唯一、ファイが3人と1匹(?)へ宛てた伝言の紙が残されていた。
しかし……。
肝心なことが書かれていないため、要領を得ない。
定位置に座ったまま、一同は、押し黙った。