*tennis

□*不可解すぎる謎。
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ちろちろ、とそこの入り口に舌を差し込んだり引き抜いたりと、彼にとっては自分の反応を見ながらそうしているので楽しいことこの上ないだろうが、こちらとしたら歯痒くて焦らされている感が否めない。
けれども、それを言うことは敢えてしないが、何度も同じ動作をされると、どうしようもない苛立ちがそれの代わりに悪態となって吐き出されてくる。

「やっ、や…ァ、…たり、ざけ、んなッ!!っも…い、だろ、がっ!!」

「…何で?まだナカに俺のん残っとるさかいに綺麗にしてあげとるんにそないなこと言うんや、跡部は…しかも、ココ勃たせて…触れてほしくてしゃあないんやろ?待っとり、ココ綺麗にしたらそっち舐めたるさかい。今触ってこないなとこで達ってしもたら後々掃除せんとあかんようなるしな…」

「はっあ、てめ…っ、ンなこと言って、俺とヤりたいだけなんじゃねぇのかよ」

「…さすが、跡部。でも綺麗にしたいんはホンマや…別に風呂でもえぇんやけど、絶対理性飛ぶからなァ…まぁ、付き合うてぇや。こないなとこで終わらせられるんも嫌やろし?」

くす、と笑いながら、舌を引き下げ、今度は届かないところを穿りだすためか、そこに指を突っ込んでナカをぐるぐると掻き回しながら、彼の放った欲を引きずりだす動作を何度も同じようにしていけば、自分の身体はびくんっ、と波打ち、気が付けば吐精していた。はぁはぁ、と断続的に呼吸が紡がれ、身体は力が抜けて床にへたり込んでしまった。

「あーあ、あかんやん。せっかく綺麗にしたっとんのに…一番えぇとこに指が当たっただけで達くやなんて、ホンマ跡部は淫乱やなァ…」

「……………」

あまりにも吐精の疲労感と先程までの腰の痛みのせいで、悪態をつきたくてもつけなくて、代わりに寄越したのは振り返りながらの鋭い視線のみ。

「…あかんて、その顔めっちゃそそられる…ってことで、跡部。もっかい、付き合うてもらおか」

「はぁっ?!おい、ざけんな!!明日体育あるって言って―…」

そうにこやかに言われて、やっと出てきた悪態をつけたのはいいものの、急に身体がふわり、と浮いた。どうやら、今自分は彼に"お姫様抱っこ"という女が喜ぶ抱え方をされているらしかった。

「降ろせよっ!!」

「え、えぇやん?遇にはこんなのも。いっつも終わったらそそくさと帰るんやさかい、少しは甘い時間一緒に過ごさして」

甘い時間、だなんて。
そんなもの作るだけ無駄だ。

と言ってやりたかったが、彼が珍しくこんなことをするので、今日ぐらいはいいか、と思ってしまったのが運のツキだったらしい、ベッドに戻されてからは何度も何度もしつこいくらいに抱かれたが、その腕はいつもとは違い、凄く凄く優しかった。
ちなみに。
しつこいくらい抱かれたせいで、次の日の体育の時間は、休まずにはいられなかったことを付け足しておく―――。

*終*
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