文章

□自ら
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広い廊下にカツンカツン,スルスル,ガンガン,コツコツ

そしてギャアギャア怒鳴る音

[全くもって意味が分からないわ!]

鎌を乱暴に床に打ち付けながら歩く少女は言った。

[アリスはお茶会を開いても猫の話しばかりするのよ!]

床に擦れるドレスを踏まないように,注意して静かに歩く男は,[仕方がありません陛下,猫は導く者ですから]となだめるように言った。

[そんな事分かっているわ! ビル,貴方は私を馬鹿にしているのかしら!?]

ガツン!と,女王はビルの足元に鎌を振り下ろした。
が,恐怖の色も見せずビルは[滅相もございません]と言いはなった。

[貴方のそういう態度が気に入りませんわ! 真実の番人のくせに私をからかって…!]

[はぁ,そう言われましても… あ,陛下,今日はアリスがいらっしゃいますよ]

そう言うと先程までは膨れていた女王の顔が,パアァと輝やいた。

[それならお茶の準備をしなくてはならないわ! さぁ急いでトカゲ! あぁ今日もまた猫の話しをしなければよいのだけれど…! でもアリスとお話しができるのだから仕方がないわ!]

そう言ってパタパタと自室に戻った。


その様子をみたビルは深い,それはそれは深いため息をついた。

馬鹿な貴女はまたそうやって自ら愛と憎しみの入り混ざる茶会を開く

馬鹿な私はまたこうしてそれを引き止めず貴女に憎しみをぶつけられる


あぁ,なんて馬鹿な私たち

END
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