文章
□スイーツ
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*--スイーツ--*
ざぁあ…
雨が降る
あぁ アリスは今日も泣いているのか
私は窓から外をながめる。
溜まっていた仕事も,今日で片付いた。
嬉しい日,のはずだったのに
[アリス…]
寂しいのは気のせいだろうか。
もともと遠い存在だ,真実の番人など。
わかっていても気になるのだ。
(まぁ仕方が無い,私達の創造主だ)
そんなことを考えているとノックの音がした。
コンコンコン
――ガチャリ。
3回ノックをするのは,アリスの癖だ。
[…。返事もしていないのに勝手に入ってはいけませんよ,アリス]
[い゛っ…]
まったく,と言うと,アリスはだってぇ,と返してきた。
涙目で。
ああ なんて可愛らしい
[寂しかったから…っ]
やれやれ,寂しいだけで泣くのか…
[それならお茶に致しましょう。心が落ち着きますよ]
[わぁい! ありがとう,ビル!]
アリスはさっそくイスに腰掛ける。
紅茶をとりに行く途中,ふと窓を見たら,いつしか空は晴れていた。
今,私が存在しなかったら,この空は晴れなかったのだろう
私がいたから,空が晴れたのだ
アリスは私がいて幸せなのだ…。
心が満ちた,気がした
[さぁ アリス,紅茶の準備ができましたよ。]
[わっ ビルすごい! こんなにお菓子作って…!! このケーキ美味しいっ!]
尊敬します!!とパチパチ手を叩くアリス。
ああ愛しいアリス
きっと貴方は
このケーキ達よりも遥かに,
甘い