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□When you wish upon a star.
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その後、お互いの会話は弾むことは無く、無常にも、その日の面会時間は終わりを迎えてしまったのだった。
そして、病院からの帰り道、ずっと俺の脳内を巡るのは、彼女のことばかり。
彼女の、あの言葉に答えられなかった己の未熟さが、今更になって、無性に腹立たしく感じてならない。
慰めの声の一つも掛けられなかった、腑甲斐無さと言ったら…。
日も落ち、街に光が灯り出す。
ふと見上げた空には、星が瞬き始めていた。
願いを叶えてくれるという、流れ星なんて特別な星ではないけれど…、歩みを止め、そっと目を閉じて、願いを乞う。
せめて、彼女が、明日も笑顔で過ごせますように、と…。
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