奇家

□お買い物に行こう!
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うちはまた一段と賑やかになった。
孤児院からリリーという女の子が来たからだ。
リリーちゃんは、うちのお父さんやお兄ちゃんや弟には毒舌だけど、私に対しては普通の女の子だった。
多分、昔男の人と何かあったのだと思う。
詳しくは触れないようにしてるけど、いつか話してくれるのかな?



私は、お父さんに頼まれてリリーちゃんと服を買いに行くことになった。
下着も買うことになっていたので、流石にお兄ちゃんもついては来なかった。

リリーちゃんには可愛い服が似合うと思うのだけど、うちにあるのはボーイッシュなものばかりでとてもリリーちゃんには似合いそうもない。

私には、可愛い服を選ぶセンスがないので、英里にお願いすることにした。
英里には昨日のうちに電話しておいたので、そろそろ来る頃だと思う。

「おっまたせ!おっ、閑、今日は私服だね。」

英里はおしゃれな帽子をかぶっていて、それが英里の髪の色にちょうど似合っていた。
英里は私が私服だということを言い当てると、すぐに私の隣にいるリリーちゃんの方に視線を向けた。

「うんうん、可愛い子だ。服の選びがいがあるってもんだ。」

「なんだか親父くさいよ、英里。」

私のセリフに笑いながら、英里はかぶっていた帽子をリリーちゃんにかぶせると、私とリリーちゃんの手を取り歩き出した。

「可愛い子には可愛い服を!私がばっちり選んじゃうよっ。」

どうやら英里は張り切っているようだ。
私はそんな彼女をみて安心した。
迷惑なんじゃないかと心配していたからだ。



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