短編

□王国の月夜
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暗闇でふと目が覚めた。


そっと体を起こす。



隣で寝ている彼を見る。




じっと息を潜めた。


規則正しい寝息が聞こえてくる。



月明かりでかすかにみえる彼の顔。


その顔色はあまりに白い。

青白いその顔に、私はときどき恐怖を覚える。

彼が遠くへ行ってしまうのではないかと。



そして、静かな暗闇の中で彼の寝息を聞いて安堵するのだ。


その繰り返し。






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