短編
□心つないで
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「みんなぁ、どこ〜?ひっく・・・だれか、助けてぇ」
少女だ。
普段は人など見ることのない森の奥だ。
きっと、一人はぐれたのだろう。
泣きながら人を呼んでいる。
このままではきっと、まだ幼い少女は迷い込んだこの森から出られない。
ここは人ではないモノが住む場所だ。
人にはない力が働く。
ガサッ
「キャっ!!」
・・・・・・・・・・・・
「・・・ついておいで。人の子」
「えっ?・・・」
少女を森の入り口まで導いてやる。
「・・・ここまで来ればもう大丈夫。さぁ、家におかえり。もう、森に近づくんじゃないよ」
「あ、ありがとう!」
花のような笑顔を残して、少女は駆けていった・・・
*