復活×狩人
□標的02
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やってきました転入当日。
友達何人できるかな?
標的02 転入
ピピッ、ピピピッ。
「……ん…」
目覚まし時計のアラーム音で目を覚ましたレイは、のろのろとベッドから起き出した。
時刻は六時。ゆっくり準備しても学校へは充分間に合う時間帯だ。
「今日から学校か……」
レイは眠い目を擦りながらベッドから下りると、クローゼットに入っている制服に着替えた。
スカートなんていつぶりだろ……。
レイは普段は大抵ズボンを穿いているため、スカートなど滅多に穿かないのだ。……スカートがあまり好きでは無いというのも理由の一つでもあるが。
制服のリボンをつけ、クローゼットの脇にある姿見で身だしなみを整える。
「……よし」
小さく頷いて、レイは鞄を持って寝室を出た。
ダイニングで簡単に朝食をとり、朝のニュースや天気予報を一通り見た後、食器を片付ける。
「さて、行きますか」
レイがいるマンションから並森中までは徒歩でゆっくり歩いても二十分程度だが、転校初日ということもあり、少し早めに家を出る事にする。
この世界に来て世間一般で言う“普通”に暮らしてみようということで、滅多な事が無い限りは、念を使わないように心掛けるようにしているのは余談である。――まあ、遅刻しそうになったら瞬間移動くらいは使ってしまいそうだが、それはそれだ。
ドアの鍵を閉めた時、隣の部屋のドアが開き、人が出て来た。
その人物を見て、レイは目を瞬かせた。
向こうもこちらに気付いたようで、軽く目を見開いている。
「「あ」」
二人の声が綺麗に重なった。
レイの目の前にいたのは、昨日並森中で会った雲雀恭弥その人だったのだ。
「恭弥……?なんだ、隣だったんだ」
「それはこっちの台詞だよ。そうなら言ってくれればよかったのに」
雲雀の言い草にレイは苦笑した。
「まさか同じマンションでお隣さんだとは思わなかったもの。それに昨日は、部屋の片付けで挨拶回りできなかったし」
言いながら、二人は並んで歩き出す。
エレベーターで一階まで下り、このまま歩きで登校しようとしたレイを、雲雀が止めた。
「何?」
「こっち」
そう言われて来たのは駐輪場。
「恭弥って自転車通学だったの?」
「違うよ。僕はこれ」
そう言って雲雀が指差した先にあったのは一台のバイク。
「……恭弥、あなたまだ中学生だよね?」
「そうだけど?」
「免許は?」
「いいんだよ。並盛では僕がルールだからね」
「何その俺様発言」
しっかりとツッコミを入れつつ、レイは嘆息した。
とはいえ、自分も免許証を偽造して仕事で普通にバイクを乗り回していたりするので人の事は言えないが。
そんなレイの心中をよそに、雲雀はヘルメットをレイに差し出した。
「折角だから乗って行きなよ」
「……何か企んでない?」
「別に。今日はただの気紛れ」
「そう。じゃあ、お言葉に甘えて」
レイは、差し出されたヘルメットを受け取った。
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