オリジナル

□度胸
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ゆっくりと扉に近づく
少し開けた隙間からは明るい光と微かな音楽が聞こえていた


ギィィー…


扉は錆び付いてたらしく軽く押しただけで大きな音がでる

音に気付きソファに寝そべっていた帝は起き上がり悠久達にひらひらと手をふる

帝が見たのは扉を少し押したままの体勢で固まる悠久とこっちを固まったまま見つめる数人の生徒だった


「…やぁ。早かったね」


帝は中に入るように促しデスクの上にあったファイルを取る


「それで、君たちが第一班という訳だ」

「あー…はい」


全員は落ち着きが無く、机が沢山ある少し職員室にも似た場所をキョロキョロと見回していた



…新鮮だな


そんなことを思い忍び笑いをし帝はファイルを開く


「それじゃあ今記録するから待ってて」


頭でノック式ペンを押しファイルを広げる


「とりあえず今、リーダー決めてくれないか?」

帝がそう言うと

「悠久でいいじゃない?」

と直ぐ様貴斗が言った

「え…俺?」

「この際誰でもいいよ。じゃあ悠久リーダーね。はい決まり」

どうせ反論しても無駄なんだろうと悠久は仕方なくリーダーを受け入れる

「で、他の子の名前は?」

「あ、南下です。南下貴斗」


《南下貴斗》




「ん、OK。じゃあ君はなんて名前?」

「…安藤翼」

「翼ね…」




《安藤翼》



「そこの双子は?」

「ナルミ…アルヴァント」

「リュウ…アルヴァント」



《ナルミ=アルヴァント》
《リュウ=アルヴァント》





「以上五名。それじゃあ君たちが第一班なんだが…とりあえず今後の話を軽く説明しようか」


帝は先ほどナイフを投げていたように今度はペンを宙に投げて回しては取るを繰り返していた


「まぁ君たちがここに来た理由は話た通りだとして、まず君たちはここで戦闘訓練をしながら過ごしてもらう。…とりあえず自衛隊とか合宿なんかみたいに考えていいよ」

翼が何かを言おうとしたが帝が素早く遮る

「ここから出れるのは勝ち残った奴だけだ。それ以外は無いよ…たとえ死んだとしてもね」

「で、俺たちはこれからどうするんですか?」

貴斗の言葉に翼が頷く

「とりあえず寝泊まりする場所なんだけど…安藤や南下とかは出身日本だからわかりやすいかな?修学旅行みたいな感じで生活してもらいたい」

「「「…修学旅行?」」」


殺し合い殺し合いと物騒な話をだすもんだからもっと危ない生活かと思ったが
修学旅行なんて軽く言われ俺たちは気が抜けてしまった

「「…何?修学旅行」」

ナルミとリュウが首を傾げながら翼に聞く

「あぁ?あー、お前ら外人だもんな…あれだよあれ、集団で寝泊まりする奴…ほら東京とか行く奴」

「東京って…お前地方から来たのか?」

貴斗が翼にそう聞いたと同時に


ギィー……


と再びあの錆び付いた扉の音がした

振りかえるとそこには班を決め終わったらしい奴らが数人


「やぁ、いらっしゃい班決め終わったのかい?」

「えぇ…先生」



入って来た班はほとんど女子の集団だった
その中に1人男が居る

そいつと目が合うとにっこりと笑いかえされた



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