オリジナル
□戦闘
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前に何故私たちにこんなことをさせるのと聞いてきた奴がいた
笑止
自ら犯した罪は
自らの手で隠す
当たり前じゃないか
じゃなきゃ自分の身が危なくなるだろう?
それがここで生き抜く大切なポイントだ
「てことで、今日から俺がおまえらの担任だ☆」
「「「………」」」
室内は静まりかえっていた
誰一人何も発さない
困惑と疑惑の眼差しが草柳帝を見据えている
「無反応ですか…まぁ普通そうだよなー、うん。俺もそうだったし」
帝は笑いながら白衣のポケットに手を入れた
そして何かを取り出す
その何かは─刃物
「…ヒッ」
刃物が目に入った女子が一人小さく悲鳴をだす
果物ナイフより少し大きめで柄の部分が装飾で彩られていた
「あ、これ?派手だよねー、ケビン君ったらこーゆーの趣味だからさ!!でも腕はいいんだよ!!君たちも武器壊したらケビン君に頼みなよ」
1人でペラペラしゃべっている帝に対し苛ついた声で1人の男子が声をあげる
「だから、いったいここはどこなんだよ!!」
「あーはいはい、始めますよ。こっちに注目皆さん」
そんな男子に対しため息混じりに帝が手にしてたナイフをくるっと回し持ち方を逆手に変え
ガッガガガガ
「!?」
黙々とナイフで黒板に傷をつけ始めた
どよめく中数人は顔を歪ませ耳を塞ぐ
黒板を引っ掻く音などは大抵の人にダメージをあたえる
悠久もその1人
ダメージは絶大だ
ガッガガガガ
ギキキ
どんどん傷をつけていく
それは文字になり
新品の様だった黒板の真ん中に堂々と刻み込まれた文字は
草柳帝
帝の名前だった
「くーさーやーなーぎ、みーかーど、です」
そして黒板を刻み終わったナイフは帝の手のひらから一度宙を舞い
ガッ
悠久の頬を軽く擦って
後ろの席の机に真っ直ぐに刺さった
静かなまま変わり無い部屋のままだったか先ほどとは違う空気が流れる
「改めて宜しく、俺は君達の
たんにん
指導者だ」
─────
─戦闘
「…さてここからが質問タイムです、何かある人」
「はい」
一番前に座っていた女の子が帝が話終わると同時に手を挙げた
「はいどうぞ、えっと」
「三ツ石です。質問する以前に私には…いえ、私たちにはまったく状況が把握と理解できていません」
「ん、そうだね」
「ここはどこですか、なぜ私たちはここに居るのか、何が起こっているのか詳しく教えてください」
三ツ石と言う女子は
この状況で必要な知識を選び訪ねている
その内容はここに居る奴ら全然の心中であり
何人かは「そうだ説明しろ」「ここは何処なの」と三ツ石に続いて問う
「わかったわかった、全部話すから落ち着け。はぁ…これ話すの何回だったかな」
帝は頭を軽くかくと
その場に座り込む
俺の視界から消えた帝の声だけが室内に響きだした
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