小説の棚
□今までもこれからも
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「それでね、雨水君が―…」
“雨水君”
最近お姉ちゃんの話によく出る名前
まぁ学校もバイト先も一緒な上に、彼は昼の世界の協力者になるかもしれない人だからよく話したり関わることも多いのはわかる
でも…
嬉しそうに彼のことを語るお姉ちゃんを見ているとなんだかすごくイライラする…
「…―って助けてくれたんだよ…って杏樹?どうかしたの?」
「大丈夫。なんでもないわ」
「そう?あ、そういえば昨日も雨水君が…―」
また“雨水君”
先ほどから話してるだけで何回彼の名前が出てきただろう?
その度に私の中のモヤモヤとした感情は肥大していく