宝物(小説)

□バレンタイン
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「マカぁ。お願いがあるんだけど〜」

きっと聞いてくれると
思っていたブレア。

しかし帰ってきた言葉は
予想に反したものだった。




「ごめん、ブレア!それ今すぐじゃないと駄目?」

「別に、急がないけど…?なんか用事あるのにゃ?」

「うん。友達が受験だから勉強教えに」

「何処まで?」

「ニホンッ!」

「遠!!マカじゃないと駄目なの?寂しいにゃ〜。ぶーたんと遊ぼうよ〜」

「また明日遊んだげるから。ね?」


「……仕方ないにゃ。行ってらっしゃい。気を付けて行ってきてね?」

「有難う。行ってきます!!!」




バタンッと慌ただしく
ドアが閉まるのと、ほぼ同時にソファで雑誌を読んでいたソウルが顔を出した。


「ブレア、お願いって何だったんだ?俺が出来る事ならやってやるけど?」

「それより友達ってだぁれ?」

「“ラクちゃん”って言ってたけど。」

「ふーん。(聞いたこと無い名前だにゃ…)ソウル君は寂しくないの?」


「…………………寂しい訳ねぇじゃん。休日に居なくなったって、寂しい訳「寂しいんのね」


「…………。そ、それよりマカに頼もうと思ってた事って何?」

「ソウル君には出来ないから
いい〜。ぶーたん、お仕事行ってきまーす。」

「なんじゃそら。…行ってらっしゃい」



ドアが静かに閉まる。
まだ冷たい風を受けながら
ブレアはひっそりと思う。




(だって、マカからのチョコが欲しいってお願いをソウル君にお願いしても仕方ないもの)


fin

(ね、マカ。大好きな子からのチョコは格別に欲しいものなんだよ?)


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